線状降水帯
空は 昼間とは思えない暗さで
バケツをひっくり返したような…
ホントにそれくらいの勢いで
今日の昼間は雨が降り続いた
建屋が冠水とか
電車が止まったとか
道路が通行止めとか
いろんな情報が入ってくる
雨雲レーダーを見ると
赤 じゃなくて紫色の雲が
後から後からやってくる
ずっと私達の上を通ってくる様子
(家は大丈夫だろうか?)
でも下手に連絡すると
かえって母がビビるのでは…
思いあぐねていたら
お昼の安否確認電話は普通にワンギリ
(大丈夫みたい 良かった)
ところが午後も相変わらず降り続き
突然スマホに大音量の警告音が鳴り響く
エリアメールで避難を誘導するものだった
もうびっくり!
さすがに不安になって母に電話すると
「は~い」と呑気そうな様子
大きい声で話さないと聞こえないから
母に電話する時は外に出るんだけど
雨がひどいから出られず
「雨!いっぱい降っとる?」
「家 大丈夫?」
「怖くない?」
空いている会議室でひとり大声を張り上げる
「はぁ?」「なんて言うとるかわからん」
この問答を数回繰り返し やっと話が通じた
「雨?知らん」
「ラジオではワーワー言うとるわ」
…良かった 大丈夫みたいだ
母は見えないうえに耳も遠いから
豪雨に気付いてないようだ
下手に怖がってもらっても困るけど
周りの異変に気付かないのは心配でもある
しばらくすると
母から電話がかかってきた
(ヤバっ!水が入ってきたとか?
どうしよう この雨の中帰れるだろうか)
一瞬にしていろんな事がめぐった
「外、見てきたけどね 大丈夫やわ」
「何ともないでね」
私が心配してるから
勇気を出して様子を見に行ったらしい
ありがとうね と言ったものの
外に出るなんて…もう!危ないじゃないの
ケガなくて良かった と胸をなでおろす
その後 夕方頃には雨は止み
セミがワシワシ鳴き出して
どうやら峠は過ぎたらしい
近い職場で有り難いけど
それでも川を挟んでいるし
何かあってもすぐには帰れない
母は独りでは避難できないし
一応 行政と自治会に届け出てあるけど
こんな非常事態に
誰か助けに来てくれるとは思えない
災難が起きない事を祈るしかない
今晩も何事もなかったかのように
外では祭囃子の練習の音が聞こえてくる
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